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2040独立自尊プロジェクト IMPACTISM
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【5/31開催レポート①】「2040コミュニティ」キックオフ(前編)

2040PJの研究シーズ大公開

by Keita fukasawa
2022年11月16日
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2022年5月31日。「2040コミュニティ」( 2040独立自尊プロジェクトコミュニティ)が、ついにキックオフを迎えました。
慶應義塾内外の学生、研究者、企業、行政に至るまで。この4〜5月にかけて発想ワークショップやピッチイベントを開催し、肩書きや組織を超えてポテンシャルを掛け合わせる仕組みを整えてきたところ。その発進の気運を体感するべく、虎ノ門ヒルズのイノベーション拠点「CIC Tokyo」とオンライン、合わせて約250名もの人々が集いました。

さあ、いよいよ旗揚げです。タイトルは「2040年問題に『研究者×産業界×学生』で挑む開かれたコミュニティ」(※1)。
スペシャルゲストとして宇宙飛行士の山崎直子さんをお迎えし、研究者や学生、企業関係者を交えたピッチやトーク、ディスカッション、ネットワーキングを実施。お互いのシーズやビジョンを集中的に掛け合わせ、“未来逆転”に向けて爆発的な推力を生み出す作戦です。

果たして何が起こったのか? そしてどこへ向かうのか? とても一つの記事にはまとめられません! あの日の模様を前編/中編/後編の3本に分けてお届けします。(前編)

(※1) 【告知】5/31開催「2040コミュニティ」キックオフイベント


イベント名
「慶應義塾大学”2040独立自尊プロジェクト”始動!
 2040年問題に『研究者×産業界×学生』で挑む開かれたコミュニティ」
実施日/実施方法
2022年5月31日 CIC Tokyo & オンラインにて実施

記事制作スタッフ
写真:熊谷義朋(フォトグラファー)
文:深沢慶太(編集者/IMPACTISM記事編集ディレクター)
編集協力:阿部愛美(編集者/ライター)


【キックオフ宣言】
「2040コミュニティ」の挑戦ビジョン

なんとなく予感していたつもりでも、フタを開けてみれば想像をはるかに超える約250人もの参加者が。不覚ながら、たまげました。シュレーディンガーのネコもびっくりです。
と、ひとり泡を食っている間にいよいよ号令。題して「Opening Remarks:2040独立自尊プロジェクト KICK OFF!」。いわゆる開会の挨拶です。

司会を務めるのは、CIC Tokyoで数々のイノベーションプログラムに携わる藤瀬里紗さん。そしてマイクを受け継いだのは、「2040コミュニティ」の始動に並々ならぬ意欲を注いできた、KGRI特任教授にしてスタートアップ企業アークレブの共同創業者でもある浅井誠さん。満を持して放たれたその言葉を、以下に要約してみます。

「2040年、日本は世界に類を見ない超高齢化によって、労働人口の急激な減少や被介護者の増加など、さまざまな社会課題の深刻化が予想されます。未来に立ちはだかるこの『2040年問題』の解決を目指すため、KGRIが旗振り役となって発足したのが『2040独立自尊プロジェクト』です。
2021年4月のプロジェクトスタート以来、学内外の研究者による分野横断型の研究が数多く進められてきましたが、さらに組織の垣根を超えてビジョンを共有するために『2040コミュニティ』を立ち上げ、記念すべきキックオフの日を迎えました」

「なぜコミュニティが必要なのでしょうか? その理由は『2040年問題』という日本の国家的危機に際して、従来のような大学や個別分野の研究では到底対処できないこと。だからこそ、多種多様な研究プロジェクトと、そこに集う人々がお互いの発想や視野を補完し合うことで未来のヒントを導き出し、社会を変える方法を実装していくという、新しい相互関係の創出を目指していきたい。
今日この場には、慶應義塾大学や他の大学から最先端の研究に取り組む研究者が100名以上、新たな事業を世に送り出す産業界から20社以上の協賛企業、そして、未来の担い手である学生が50名以上、その他の方々も数多く集まっています。こうしたコミュニティのあり方こそが、このプロジェクトの挑戦ともいえるでしょう」

【Pitch 1:研究者ピッチ】
「それぞれが思い描く2040年の絵姿とは!?」

開会の宣言に続いては、「2040独立自尊プロジェクト」に参加する研究者たち5名によるピッチを開催。2040年を視程に収め、それぞれのシーズや熱意を制限時間4分で発表していきます。

ピッチの1番手は、慶應義塾大学理工学部専任講師の小川愛実さん。IoTやAIの技術を住宅に取り入れた「スマートホーム」を実現し、居住者それぞれの健康状態に応じた最適な居住空間を実現するインタラクティブな空間設計「ウェルネス・インフィル」を目指したいと語ります。

人間の体は一人ひとり異なっており、最適な空間も個別に異なるはず。例えば階段であれば全体の安全基準は定められていても、それが個別にもたらす影響は考慮されてきませんでした。
そこで考えられるのが、高齢居住者の体の動きを見守りロボットが詳細に取得、そのデータを分析することで転倒の危険性や負担のかかる場所を特定し、間取りや住宅の家具サイズなど最適な環境制御を行う方法。さらに運動器疾患の患者が利用しやすい階段や、予防医療の観点から普段通り生活するだけで生活習慣病予防や腰痛防止、リハビリのエクササイズになる家まで。一人ひとりに応じた環境づくりを目指していきます。

続いては、東京大学大学院工学系研究科教授の酒井崇匡さん。“水を材料化する”ことをテーマに、「ハイドロゲル」の研究を進めています。

ハイドロゲルとは、ゼリーや豆腐、コンタクトレンズに至るまで、三次元分子に水を含んだ素材のこと。ごく普通の水に成分の2〜10%程度の高分子を加えることで、驚異的な伸縮性を持つシート状のゲルや、生体の中で最も強い組織である“腱”とほぼ同等の強度を持ったゲルを作り出しました。ほかにも水を一瞬にして固めたり、手術中の止血に目覚ましい効果を発揮したりするなど、高分子の編み目の形によってさまざまな物性を発揮できます。
さらに、一定時間の経過によって水に戻るなど、環境にやさしいという特長も。こうしたメリットを新たな素材として確立し、積極的に活用することで、例えばマイクロプラスチックによる海洋汚染の増加を防止できるかもしれません。まさに画期的な“未来の素材”を通して、人の体と地球の両方にやさしいものづくりの可能性を探求していくと話します。

次の登壇者は、慶應義塾大学や東京大学、山形大学などのメンバーで構成される「ソフトロボットチーム」から、慶應義塾大学理工学研究科の早田圭之介さん。

研究の背景にあるのは、従来の“固いロボット”が抱える課題。例えば水中ロボットの場合、固く、大きく、重たいことで運用の幅が制限され、推進器が海洋生物を巻き込んだり、サンゴなどを傷付けてしまったりするなどの問題がありました。
そこで同チームは、体全体をうねらせて泳ぐ海洋生物「ヒラムシ」に注目。まだ解明されていない遊泳メカニズムの観察と解明に始まり、柔らかい素材による駆動機構の開発など、ヒラムシの動きを模したロボットの実用化を目指しています。こうした“柔らかいロボット”が実現すれば、従来は不可能だった狭い配管の奥深くに入って検査をしたり、将来的な構想では超小型化によって人間の体内を傷付けることなく、目標部位へ薬効成分を届けたりすることも可能になるはずです。

4番手は、東京工業大学生命理工学院博士後期課程の杉浦圭さん。専門は人間の細胞が放出する粒状の細胞間情報伝達物質「エクソソーム」の研究。直径30〜150ナノメートルと、ウイルスとほぼ同サイズのこの極小物質は、血流やリンパに乗って全身を巡りながら、さまざまな情報を運んでいます。

では、エクソソームについて研究することで、どんなメリットがもたらされるのか。代表的な例として、がんの早期発見やさまざまな病気の治療が挙げられます。例えば、がんの転移に先立ち、転移先の臓器にエクソソームが移動すること、血液中のエクソソームのタンパク質を解析することで、がんの有無を判定できることがわかっています。エクソソームが脳神経系に与える影響も少しずつ解明が進んできています。
これらの成果を元に、体内のエクソソームの振る舞いを検出する小型デバイスを開発すれば、がんの早期発見やアルツハイマー病の診断、脳の若返りをもたらす治療法にもつながるかもしれません。

最後に登場したのは、慶應義塾大学大学院法学研究科研究員の小久保智淳さん。神経科学と法学という、これまでの常識ではかけ離れた分野を掛け合わせた新領域「神経法学」に取り組んでいます。
きっかけは、東日本大震災以降の日本で科学技術に対する不信感が広がったこと。大切なのはいたずらに恐がることではなく、過度に称賛するのでもなく、冷静に扱い方を考えることではないか。そこで法的な観点から、健全な科学技術の発展に寄与したいと決意しました。

その一例が、脳と機械を接続する「BMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)」。体を動かせないALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者が思い浮かべた言葉の文字入力に成功し、大きな可能性が開けつつある一方で、ELSI(倫理的・法的・社会的)問題をどう解消するか。さらに、こうした技術によって心身の境界線が拡張し、人間原理それ自体が変容していくなかで、私たちはどうあるべきか。国立研究開発法人 科学技術振興機構「ムーンショット型研究開発制度」の一環で新たな研究ユニット(※2)を立ち上げるなど、「法学も最先端科学技術とともに月へ行く」と熱い意気込みを語ります。

(※2)IoB-S(インターネット・オブ・ブレインズ・ソサエティ)

続いては……【スペシャルトーク】
宇宙飛行士・山崎直子さんが登場

以上で研究者5名のピッチが終了。しかし、これはまだ“序章の始まり”にすぎません。
次回の中編では、宇宙飛行士の山崎直子さんによるスペシャルトークと、学生/研究者/企業関係者を交えたディスカッション、後編では企業各社によるピッチなどの様子をお届けしていきます!

次回【5/31 開催レポート②】
「2040コミュニティ」キックオフ(中編)

Tags: #Z世代#イノベーション#コミュニティ#サステナビリティ#慶應義塾大学#超高齢社会大学生

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