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2040独立自尊プロジェクト IMPACTISM
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【企業×学生座談会】立場を超えた共創の可能性とは?

「コーセー×TSUNAGU」映像作品をめぐる未来への対話

by 2040独立自尊PJ
2024年3月15日
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慶應義塾発の学生映像クリエイティブ集団「TSUNAGU」(※1)が、株式会社コーセーのメイクアップブランド「FASIO(ファシオ)」(※2)をテーマに映像作品『「私らしく」は「私」が握る。』を製作しました。
 
前回の記事(※3)で紹介したとおり、本映像作品は「2040独立自尊プロジェクト」のイベントでの出会いをきっかけに企画がスタート。「FASIO」のコンセプトである「なじむ、らしさ、つづく。」をもとに、今を生きる若者が日常生活の中で大切にしたい「ありのままの自分」を、約1分間の映像の中で表現しました。
 
本作品に込めた意図は様々ですが、そのひとつとして「ありのままの自分」をめぐる問いかけや共感をさらなる対話へつなげていくことが挙げられます。その糸口を探るべく、作品に携わった学生メンバーと株式会社コーセーの社員が集い、映像のテーマである若者の美意識の変化や映像製作への思いを語り合いました。
 

(※1)「TSUNAGU」(「ツナグ-TSUNAGU-」より改称)
(※2)株式会社コーセー「FASIO(ファシオ)」
(※3)【学生記事】2040コミュニティ発“企業×学生”映像作品に込めた想い
 


記事制作スタッフ
文:宮田拓弥(慶應義塾大学商学部3年生)
写真:大森頌弘(日本大学芸術学部2年生)
編集:深沢慶太(フリー編集者)
 
実施日/場所
2023年12月8日 株式会社コーセー本社
 
※所属・職位は2024年3月時点のものです。


 

 
 
<座談会参加メンバー>

(前列左から)
三原大知(みはら・だいち)
慶應義塾大学文学部3年生。宮田とともに映像クリエイティブ集団「TSUNAGU」を設立。
 
宮田拓弥(みやた・たくや)
慶應義塾大学商学部3年生。「TSUNAGU」代表。映画や企業PVや番組など広範な映像製作を手掛ける。
 
塩谷和美(しおや・かずみ)
慶應義塾大学商学部1年生。「TSUNAGU」では高校時代の写真部での経験を活かし、カメラマンや監督を担う。
 
伊藤潤(いとう・じゅん)
慶應義塾大学環境情報学部1年生。「TSUNAGU」制作部を中心に、映画や番組製作に携わる。
 
山本陽平(やまもと・ようへい)
慶應義塾大学法学部3年生。「TSUNAGU」では膨大な映画の知識を武器に、プロデューサーを担う。
 
(後列左から)
森光りな(もりみつ・りな)
株式会社コーセー 美容開発部 トレンド戦略課所属。トレンド情報の収集や分析を行う。
 
佐藤真由美(さとう・まゆみ)
株式会社コーセー 美容開発部 トレンド戦略課所属。トレンド情報の収集や分析を行う。
 
長谷川雄平(はせがわ・ゆうへい)
株式会社コーセー 宣伝部 メディア統括課所属。広告の宣伝企画や、テレビ・ラジオなどのメディア窓口を担当する。
 
上原静香(うえはら・しずか)
株式会社コーセー 美容開発部 美容開発課所属。接客のカウンセリングツールの開発や、美容価値の効果検証を行う。
 
鳥谷真佐子(とりや・まさこ)
慶應義塾大学KGRI特任教授。「2040独立自尊プロジェクト」において、健康寿命延伸プロジェクトを主導する。
 
※所属・職位は2024年3月時点のものです。



映像作品『「私らしく」は「私」が握る。』(約1分)

 
“コーセー×学生” 映像企画のきっかけ

 
——コーセーは、どのような経緯で「2040独立自尊プロジェクト(以下、2040PJ)」に参加されたのですか?
 

 

コーセー 上原
私たちが提供している“美”の中に含まれる、ウェルビーイング領域の取り組みが「2040年問題」にもつながるのではないかと思い、参加しました。研究者の方や企業の方、学生さんもいるコミュニティの多様さにとても共感して、興味深く参加しているところです。「2040PJ」への参加をきっかけに、弊社の佐藤や森光が主体でやっている学生さんとのディスカッションの場も作らせていただくことができましたし、本当に色々な広がりを感じています。
 
——どのようにして「FASIO」の映像のプロジェクトが立ち上がったのでしょうか?
 
TSUNAGU 宮田
私は個人的に「2040PJ」のイベントに参加しており、そこで上原さんとお会いしました。ちょうどその直前に、個人的にかねてより取り組んできた映像製作を軸に、「TSUNAGU」を立ち上げた時期でした。我々の活動目標や理念が、「2040PJ」の理念や、コーセーさんの活動にもつながるのではないかと思い、上原さんに映像製作のプロジェクトをご提案させていただきました。

 
『「私らしく」は「私」が握る。』のテーマ

 
——映像作品『「私らしく」は「私」が握る。』では、学生の皆さんはどういうことを考えて製作に臨んだのでしょうか?
 

 

TSUNAGU 宮田
「私らしさ」ってなんだろうっていうことを、撮影直前までみんなで議論していた覚えがあります。若者の、自分らしく心地よくありたいという欲望に忠実に向き合おうと思いました。その結果として、誰に見せるわけではなくとも家でメイクの練習をしている男の子や、「TikTok」で思い出を映しとる高校生の、何気ない日常の風景をそのまま切り取ってきたような映像が出来上がったのかなと実感しています。

TSUNAGU 三原
テーマが「私らしさ」で行くと固まってから、「私らしさ」の多様性を大切に製作を進めました。最近はSNSの普及で、美しい人やかっこいい人の像が固まってきている感じがします。でも、実際には人の好みはそれぞれ違っていて、それを表に出していいんだよという後押しになるようなものになればいいなという思いのもと、作品を作っていきましたね。
 
——普段コーセーで作られている映像と、今回学生が製作した映像を比較して、どのような違いを感じましたか?
 

 

コーセー 長谷川
例えばCMの場合、長くても30秒程で、短い時間の中でいかに端的に分かりやすく伝えていくかに重きが置かれることが多いです。CMのテンポは早いので、カットが何回も切り替わって、メッセージが入って、商品の特徴を伝えて……。一方で今回、1分強の映像を通して、先ほどのマインドの話や内に秘めた思いを映像の中で丁寧に表現していただいていると感じました。
私自身の経験を振り返っても、学生の頃は一番「私ってなんだろう?」と考える時期だと思うので、その思いを本当に映像の中に表現していただいたと思います。

 
美意識の変化について考える

 
——流行りではない形で「私らしさ」を求めたり、男性も化粧をしたり……最近の美意識の変化をどのように感じていますか?
 
TSUNAGU 伊藤
昨今は、人種やジェンダーがどんどん関係なくなっていると思います。メイクひとつとっても、する/しないに男女差がどんどんなくなっています。さらに、最近は見た目と中身の両方を見られるという感覚があります。中身だけが素晴らしくても、身だしなみに気を使っていなかったら見向きもされないことがあると思っていて、そういう中で、それぞれがそれぞれの理由で美を追求しようとする流れがあると思います。
その一方で、身だしなみの基準を決めている人たちが多いなとも感じます。例えば校則で、髪型や服装を理由なく制限されることがあります。そういう既存のシステムをどんどん若者が壊さないといけないですし、そういう流れになってくるんじゃないかなと思っています。
 

 

TSUNAGU 塩谷
コロナ禍が明けてから、その開放感からかファッションの多様性や個性を自他ともに認められるような時代になり、ファッションの自由度も増したと思います。それでも外見を気にしてしまう社会のバイアスなのか、日頃大学に通う中でも、みんな綺麗にお化粧したり洋服を着たりして、どうしても無意識に気にかけてしまう時が多いです。それでも、SNSの発達により、年代や性別や国籍の垣根を越えて、自分らしい見せ方を自分で発信したり取り入れたりできるようになってきた結果、美意識がより型にはまらない流動的なものになっていると感じます。
 
コーセー 佐藤
過去にはカラートレンドやメイクトレンドは年齢層ごとに画一的な印象で情報が発信されていたんですね。でも、この数年になってそのトレンドは年齢だけではなく、嗜好性で区切られることが多くなっているのかなと感じています。若い方だけではなくて、10代も70代も年齢に関係なく、可愛いものが好きな人同士で集まったり、癒されたいと思っている人たちは癒されたいグループで集まったり……。そうした括り方によって、流行るものや必要になってくるものが変わってくるのかなと思います。
 
コーセー 森光
最近の若い方はアバターをはじめ、場所によって違う自分になりきったりして活動することをすごく自然にやっているように思います。これからはもっと突飛なメイクや、キャラクターみたいなメイクを普段街中でしていても、自然に受け入れられていくのかもしれません。本当の意味で、個性を楽しめる形に美意識が変わっていくのかなと思っています。
 

 

コーセー 佐藤
映像を拝見してすごく素晴らしいと思ったのが、男の子がマスカラをつけるシーンです。私がそういったシーンを単純にイメージすると、男の子が自分の部屋で、自分で買ってきたマスカラをつける姿を想像するんですけど、この映像に映っている男の子はきっとお姉さんかお母さんのドレッサーで試していますよね。家族のドレッサーにあるマスカラをこっそり拝借して、商品を買う前にまずは誰かが持っているもので確かめるんだなという新しい視点が持てました。まさに多様性だなと思います。好奇心から入って、どういう気持ちで美意識を高めていくかという、入り口は様々だし、無限にあるなということを感じました。
 
TSUNAGU 宮田
実はそういったことは想定していなかったので、そう読み解いていただいてうれしく思います。でも多様性には注目していて、男の子の部屋だけど、メイクする男の子の部屋には何があるんだろうかと、実体験を元に話し合いながら考えて、小道具や照明をひとつひとつセットしました。確かに実際、最初に男性がメイクするとなると、そういう入り方って結構ありそうだなと思いますね。
 
——コーセーではメイクに関して男女の違いや、そのあり方を世の中に発信することについて、どう捉えていますか?
 
コーセー 佐藤
当社では、男性用・女性用と限定した商品展開はしていないんです。ビューティやコスメに関心がある方に、私たちの製品を性別や年齢に関係なく使っていただきたいと思っています。例えば、男性のお客さまはメイクをするのにちょっと抵抗があるというような市場調査の結果が出たら、「どういう入り口を作ったら使う人が増えるかな」とか、「どうすればみんな抵抗感なく使えるようになるかな」ということを模索するんですよね。
また、ビューティクリエイションユニットというメイクアップアーティストのチームがメンズメイクのイベントをたくさん開催したり、映像も配信したりして、みなさん自由に楽しくメイクしましょうという発信をしているんです。
 
コーセー 長谷川
最近、男性のイメージモデルを使った広告も増えてきています。そういった広告を見て、女性の方からも印象が良くなったという声をいただいていますね。

 
立場を超えた共創と発信の意義

 
——学生と企業など、立場の異なる人たちが一緒にものづくりや発信をしていく可能性について、どう感じていますか?
 
コーセー 長谷川
様々なジャンルで活躍されている方とご一緒させていただくことは、必要なことだと思っています。例えば映像の中であれば、私たちが普段だったら考えつかないような新しい価値が生み出されやすくなるし、そういったものを世の中は求めていると思っています。普段の仕事では、自分が慣れているやり方でやってしまうところがあるんですが、私たちの“当たり前”が、学生の皆さんにとっては“当たり前”ではない場合もありますよね。だからこそ、新しい発想やアイデアを生み出す意味でこういった取り組みが増えていけばいいなと思っています。
 


コーセー 長谷川
最近は個人で簡単に映像を製作して発信できるので、映像がより身近になってきています。そのなかで、テレビCMの担当としては、映像自体の信頼性が求められているように思います。今回も、映像に対しての思いや熱量は見ると伝わると思います。動画制作に携わる方が一般の方まで増えてきているからこそ、視聴者目線をさらに意識していかなければいけないなと思います。
 
コーセー 佐藤
「私らしさ」を表現する場合を考えても、写真で表現できるのはその瞬間だけなんですよね。つまり、どうしても見た目だけになりがちな一方、映像だとライフスタイルの中の1ページをある程度切り取っているのが伝わるから、見た目だけじゃない、「私らしさ」の一瞬みたいなことがすごく伝わりやすくなると思います。映像で外見を映していながらも、「見た目だけじゃなくて内面(気持ち)も大切だよね」という姿勢を伝えるのに、映像というメディアはすごく有効だと思います。
 
——学生の皆さんは、映像を作ることの意義や刺激をどのように感じていますか?
 

 

TSUNAGU 山本
「TSUNAGU」に参加する前は、映像コンテンツは見る対象でしかなかったので、作る側に回ってから非常に刺激的な経験が多いと感じています。色々な役職があって、その役職を責任感を持って全うしなければいけない中で、個々が持っている力を発揮できるような環境作りやチームワークの大切さを学びました。それに加えて、映像ができた時の達成感や喜びを共有できる仲間がいるということにすごく大きな意義を感じています。
 
TSUNAGU 宮田
多種多様な映像製作に携わる中で、場所によって求められることは違いますが、フローとしては、最初にこういうことを伝えたい——今回だったら「私らしさ」ってどうやって伝えればいいんだろう——というすごく抽象的なテーマを、映像という具体的な形に落とし込む間で色々な立場の人と話し合うわけです。そこで、最初にあった企画から色々なものが抜け落ちていくこともあれば、新しくアイデアが生まれることもあり、そのプロセスがすごく刺激的だなと思っています。
 
——最後に、「2040PJ」に携わる鳥谷先生から感想をお願い致します。
 

 
KGRI 鳥谷
今日のお話を聞いていて、「私らしさ」というのは、自分以外の人たちのあり方の多様さを認めていくということが大事だということと同時に、自分自身の多様さを認めていくということなんだなと、あの映像を思い浮かべながら、しみじみと理解できました。また、今の学生には「私らしさって今や当然だよね」という風に考えている軽やかさがあるんだなと思いました。
その魅力を感じているからか、「2040PJ」のオウンドメディア「IMPACTISM」でも、研究者が書く記事よりも、学生が執筆した記事の方が6割ぐらい閲覧数が多いんですよね。なので、重くてハードルが高いと思われるかもしれない「2040年問題」について考えるコミュニティに学生が参加しているのはすごくありがたいことだと思いますし、企業の方々にとっても様々な発見があるだろうと思います。
今回のこの座談会の記事によって、そうした意義がさらに深く伝わるようになるんじゃないかなと感じました。これからも楽しみにしています。

Tags: #2040年問題#Z世代#イノベーション#コミュニティ#大学生#慶應義塾大学

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